たばともさんデータ
南海はこの年から3連覇、西鉄が衰える中、鶴岡体制の完成期だと言えよう。
南海は先発、救援が分かれている。スタンカが抜群、杉浦は衰えたが218回を投げている。救援は3年目の新山、2年目の林、そしてベテランの皆川が担った。杉浦は23救援だが12SP。大事なところで使われている。
阪急は米田、梶本、足立、石井と言う名投手が並び立っているが、打線が弱体で勝ち星は上がらず。
救援は石井が主軸。エース不在の感がある。
東映は土橋、尾崎という新旧のエースが並び立っている。佐賀健四郎がこれに次ぐ。救援は田中、宮崎、石川と役割分担されている。
大毎はこの年から東京に。そして阪神から世紀のトレードで小山正明がやってくる。まさに大エースの活躍。阪神へ移った山内は31本塁打94打点.257だったから、東京の方が得をした感があった。
坂井も19勝、しかしこの二人だけで、小野正一は完全に衰えていた。救援投手は22勝12敗だから、他の先発投手との差が大き過ぎたと言えよう。
西鉄は5位に急落、以後浮上することはなかった。稲尾がほとんど投げられず、畑も急落し、先発二けた投手がいなかった。救援陣よりも先発陣の方が悪かった。
近鉄は先発で久保が10勝しているが勝ち越している投手はいない。救援で佐々木、山本重が頑張っているが弱体は否めなかった。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
↓
『「記憶」より「記録」に残る男 長嶋茂雄 』上梓しました。
「読む野球-9回勝負- NO.2」私も書いております。
広尾晃 野球記録の本、アマゾンでも販売しています。
南海はスタンカが前半戦9勝4敗から後半戦17勝3敗と更に調子を上げて優勝の原動力に。杉浦の投球内容は過去2年間とそれほど変わり映えはしないが3年ぶりに20勝到達。先発であてに出来るのはスタンカと杉浦のみ、他の投手はむしろ救援が本業といった様子で夏場以外は終始悪戦苦闘。この年のスタンカの貢献は大きかったです。
阪急はスペンサーの加入でチームが活気づき投手陣も好調で初優勝かとも騒がれたが、主力4投手ばかりをフル回転させたのが夏場の息切れを招き2位に。攻撃型の西本監督は後年も投手起用は余り得意では無さそうでしたね。
東映は土橋・尾崎・嵯峨、東京は小山・坂井頼みの投手起用。小山は当時最も打者有利の球場と言われた東京スタジアムが本拠地での、この成績は特筆ものかも。
救援役の投手は次第に増加してきて、巨人と阪神に南海のスタンカなど一部で大リーグ的な投手起用への意識も表れ始めてはきたけど、昭和30年代最後の年になっても主力投手の多忙な救援兼務はそれほど変わらずといった様子です。