恵まれた能力、才気を十分に発揮することなく37歳になった。このままわき役で終わるにはあまりにも惜しい選手だ。
075-Yoshinobu-Takahashi





【キャリア】

千葉県千葉市出身。桐蔭学園高校では甲子園に二回出場。慶應大学では三冠王。97年のドラフトは逆指名で巨人入団。外野手として活躍。

【タイトル、それに準ずる記録】

・打撃10傑入り6 ・OPS.900以上4 ・RC100以上1 規定打席以上8シーズン

ベストナイン2 オールスター出場8 ゴールドグラブ7

【論評】

慶應出の巨人ドラフト1位と言えば、85年の上田和明、89年の大森剛がいるが、いずれも大成しなかった。しかし高橋は入団前から先輩2人とはモノが違うと目されていた。卓抜な守備に見られる野球センス、そしてイチローに匹敵するスピード感。

高橋が入れば、鉄のような体の松井秀喜と好対照の中軸が生まれると期待された。

事実、そうだったのである。高橋は初年度から3割を打ち、勝負強い打撃でリーグ屈指の存在となった。また、守備範囲の広さ、肩の強さも群を抜いていた。松井秀喜のような長距離砲ではなかったが、片足でタイミングをとる美しく、しなやかな打撃フォームから2塁打を量産した。

しかし、積極的な打撃があだとなったか、2002年ころから死球禍に苦しむ。また、わき腹、肩、そして腰と故障に苦しみ、徐々に出場機会を減らしていった。

2007年の完全復活は、体調さえ万全ならば高橋はリーグ屈指の強打者であることを見せつけた。この年OPSは.980、RCは114を記録。MVPに選ばれても不思議はなかった。

しかし、以後は再び腰痛に苦しむ。2009年は1試合だけの出場にとどまる。

2010年以後もフル出場はならなかったが、2012年は久々にシーズン通して試合に出続けた。しかしながら、成績は全盛期には程遠い。

Yoshinobu-Taahashi2012


「無冠の帝王」とは言い古された言葉だが、高橋由伸は、その称号のままにキャリアを終えるのか、今一度華を咲かせるのだろうか。

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